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日本人と外国人が入り交じる職場で働いている外資系社会人の頭の中。Twitter: @gaishibija

よく考えるとものすごくやばいベネッセのマーケティング〜その3〜

ベネッセのマーケティングについて3個目の記事になります。

エッセンシャルな記事としてはたぶんこれが最後です。笑

 

よく考えるとものすごくやばいベネッセのマーケティング〜その1〜 - BijaBlog

よく考えるとものすごくやばいベネッセのマーケティング〜その2〜 - BijaBlog

 

 

まずはマーケティングに必須な3要素から。

 

1. 適切なタイミング

2. 適切なユーザー

3. 適切なメッセージ

 

 

この3つがうまくワークしさえすれば、

マーケティングとしては合格点です。

 

ベネッセのマーケティングにおいて、

まず強烈なメッセージ性が際立っており、

そこから多くの潜在ユーザーを成約まで持っていきます。

 

神話の法則に基づいたストーリーを通じて

ユーザーに明るい未来を見せ、

そこにいくための手段として商品を紹介する。

 

「これいいっすよ、どうですか?」

といった押し売りみたいなマーケティングでは

勝負になりません。

 

 

さて、メッセージについては完璧だとしましょう。

次は、誰にどのタイミングで訴求するかがカギです。

 

進研ゼミ小学講座のストーリーをいくら練り上げようが、

僕のような大人に出したりおじいちゃんに向けて

発信しては全く意味がありません。

小学校なんか行ってないんだから。笑

テストの点数上がって部活うまくいって彼女も出来て、、、

とか、おじいちゃんにはなんの関係もありません。笑

 

これを避けるために、ターゲット選定をする必要があります。

 

ベネッセのマーケティングがすごいのは、

膨大かつ正確なユーザーデータを保持している事です。

 

 

どうやってユーザーデータを集めているかというと、

進研模試です。

 

模試なんかやっても、模試だけでベネッセに

大した収益は生まれません。

※多少受験料は取ってると思いますが、

人件費とか諸々さっ引くとほぼ手元に残らないはず

 

じゃあなんでそんな手間かけるのかというと、

データが欲しいから、です。

 

模試を受験する人達に対しては、

ベネッセは堂々と「個人情報ください」と言えます。

個人情報に厳しい昨今でも、

匿名で模試受けるわけにはいかないでしょう。

 

まず学年は絶対に必要な情報ですし、

他にも受験科目、あと昔なら結果を郵送すると

思うので住所などなど、ひととおりの

個人情報を収集しているはずです。

 

 

そうすると、

「ああ、Aさんは10月の模試そんなよくないな。

次高校3年生に上がるしおそらく危機感感じてるだろうから、

このタイミングで訴求してみようか」

 

みたいなことが出来る訳です。

 

そのAさんが大学ではなく別の進路に

進むのであれば、おそらくその訴求は徒労に終わって

カタログもゴミ箱行きだと思いますが、

成績が悪い、だけど慶応に行きたい、

とかだったらものすごく刺さるかと思います。

 

 

おそらくですが、季節ごと、そのユーザーの

成績ごとなど、いくつかの変数をかけあわせて

ユーザーをセグメントし、それぞれに最適な

メッセージを最適なタイミングで訴求し、

成約率を極限まで高めるようにマーケティング活動を

行っていたはずだし、今も日々改良しながら

行っていると思います。

 

 

 

1. 適切なタイミング

→個人情報から最適なタイミングを判断

 

2. 適切なユーザー

→個人情報から最適なユーザーを選定

 

3. 適切なメッセージ

→神話の法則に基づくストーリーテリング

 

細かい事項はまだあるかと思いますが、

これがベネッセのマーケティングのキモだと

思います。

 

 

大量のデータを保持し、ユーザーをセグメンテーションし、

高クオリティのコンテンツを配信する。

今流行っているビッグデータやターゲティングなどの

手法を、ベネッセはもう随分前から実施していたのでは

ないでしょうか。

畏敬の念を感じざるを得ません。

 

個人情報が流出してしまったのは痛手かと思いますが、

必ずこの会社は復活するはずです。

 

マーケティングを制する者はビジネスを制すとまでは

言い切れませんが、マーケティングの出来ない会社に

未来はありません。

 

ということで、なんとか3回でまとまってほんとに

よかったです。笑